よんでいる日

読書の感想とか

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

縁と絆(よしながふみ『愛すべき娘たち』)

よしながふみの『愛すべき娘たち』を読んだ。おもしろかった。 「娘」という言葉の関係性を考えさせられた。「私の娘」とか「あなたの娘」とか「彼の娘」とか「このひとはあのひとの娘」とか、○○のという言葉が暗に娘という言葉にはついている。もちろん「こ…

概念としての関西人が小説を語ると(『ラブレス』桜木紫乃)

めっちゃおもしろい本読んでしもたからちょっと以下にちょこちょこ書いとく。この記事は関西弁っぽい文で書くから堪忍や。 『ラブレス』っちゅうタイトルは跳躍すると「愛のない」という意味に日本語ではなる。つまりこの小説は愛について書かれているという…

自意識との向き合い方(ジョーン・G・ロビンソン『思い出のマーニー』)

自意識とどういうふうにつきあっていけばいいのか、という態度を決めることは思春期においてとても重要なことである。自意識が過剰になると他人にどう見られるかということが気になってうまく行動ができなくなるし、逆に自意識がなさ過ぎると自分がされて嫌…

もろもろの日常(橋口亮輔『恋人たち』

むかし話題になったことのある映画だ、とツタヤで棚を眺めているときになんとなく『ぐるりのこと』という映画のDVDが目にとまった。借りてみた。びっくりするくらいおもしろかった。見終わってすぐに監督の名前を検索するとちょうど新作映画が公開されている…